(1) テレビ観察日記の進め方
週のはじめ、家庭学習ノートに次の板書を視写するように指示した。
テレビの中のスポーツを探します
テレビの中の(見る)スポーツのヒミツを探り出します
2週間つづけて作文を書きます
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質問を受け付け、毎日家庭学習ノート(8mm方眼)に一ページ書くことを確認した。
その間、毎朝、テレビ演出を取り上げた作文を取り上げて読み聞かせた。テレビ演出を見つけたよさを強調してコメントし、全員のノートに赤ペンを入れて返却した。 (2) テレビ観察日記、最初の一週間の様子
テレビの中のスポーツを作文に書くのは難しいようだ。最初の二日はその時見たスポーツを説明する作文がほとんどだった。二人ほど、サッカーの試合では「ボールを中心に画面ができている」「得点と時間が画面左上に出る」といった生(ナマ)では見られないテレビならではの演出を取り出してきた。それを読み上げ大いにほめた。三日めからテレビ演出に注目した作文が集まりだした。例えば以下である。
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日本vsチュニジア戦
(中略)中田選手はヘディングでゴール。森島選手は右足でゴール。2人とも後半にゴールを決めた。そのしゅんかんを、テレビ局はなぜ3度ぐらいハイライトをするのだろう(ハテナ)。【よそう】そのしゅんかんを少しでも多くの人に見てもらいたい。日本がゴールする歴史的しゅん間だから。ハイライトの時は少しスローモーションで放送される。ゆっくりの方がゴールがどのようにはいったのかがわかるからじゃないかな。(後略) |
この作文を読み聞かせた。「映像を繰り返せる」「スローモーション」というテレビ最大の特徴を書いているのがよい。またその使用目的を予想しているのがすばらしいとコメントした。
他にサッカーの試合で使うテレビカメラの数とその位置を予想して図示した子、水中でサッカーを行うテレビCMの効果について予想した子の作文も読み聞かせた。 (3) テレビ観察日記、読み合いの様子
一週間後、国語の授業一時間を使って書きためたテレビ観察日記を読み合った。
これまでの作文の中でテレビ演出を取り上げて書いた作品だけを印刷し配付した。それらを個々に読みながら重要な点やおもしろいと思った点にボールペンで線を引いた。その後、班で発表し合った。班の代表者を決め、全員の前で発表した。
班の代表に次のようなスピーチがあった。
わたしは、テレビがうつすスポーツは全て「視聴率」と関係あるのではないかと書いた文章が一番心に残りました。点数が入るたびにFIFAのマークを出したり、ボールを中心にカメラを写したり、音楽を流さないようにしたり、解説の人がずっとしゃべっているのは、全て「視聴率」とかかわりがあるのかな。(後略) |
テレビの演出を「視聴率」と結んでいる。この子なりの視点でおもしろい。 (4) テレビ観察日記、残り一週間の様子
作文を読み合った後、一気に作文が広がりだした。最終的に十四人全員が一度はテレビ演出を取り出した作文を書いてきた。
内容も「サッカー中継とテニス中継を比較する作文」「鉄棒ができない小学生を応援するバラエティ番組の中で小学生の顔のアップの理由を考えた作文」「アナウンサーや解説者は誰の立場で話しているか指摘した作文」など様々で興味深かった。
(5) テレビ観察日記を行った感想の様子
二週間が過ぎ、一週間前と同様に全員でまた読み合った。最後に、テレビ観察日記を書きつづけた感想を原稿用紙一枚に書いてもらった。次の作文が印象に残った。
テレビを通してスポーツを見て(前略)考えたことを二つ書く。一つめは、テレビでは写っている人たちの努力さが分かるということだ。表情をとらえたりして、その人たちの努力さを伝えるのだろう。ここで伝えたいことはみんな努力して勝ち進んでいるということだ。(後略) |
テレビは「スポーツ番組」を「努力は素晴らしい」というコンセプトで構成しているとこの子は見出している。考えながらテレビを見続けた結果だろう。
他の子も「スポーツをわかりやすく見せようと工夫している」などテレビとスポーツの関係を結びつけて作文を書いていた。 |