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《2002年4月号No.201特集》

特集新・学級づくり入門

「出会い」に「笑い」を

北海道三笠市立美園小学校 惣田徹也

1教育に「笑い」を!

 上條晴夫氏は、言う。
 熱心な先生であれば、子ども達と一生懸命コミュニケーションを図ろうとします。ところが、それにズレが生じることがあるんですね。なぜズレるのかというと、実はそこに「笑い」がないからなんです。
 世の中は、吉本興業を受け入れたのに、学校では受け入れられない。いまだに、笑いというものは価値の低いものと思われているんです。漫才やバラエティーは特に駄目。子どもたちの間では、面白おかしいことが当然の価値になっているし、親御さんだってそう。学校や先生たちだけが、笑いの文化に染まっていないという感じなんです。(中略 惣田)
 実際に、学級崩壊を起こしたクラスの先生が、「笑いがたりなかった」と反省しているケースを知っています。
(教員養成セミナー2002年2月号より)

 今こそ、「笑い」の価値を見直すべきである。

2誰でも笑いを起こすことができる

 笑いを起こすといっても、性格の上で、得意・不得意がある。しかし、自分が面白いこと言わなくても、笑いを起こすことができる。「お笑いバラエティーゲーム」がそれである。ゲームの設定自体がネタふりになっている。その中で、子どもたちの発言に、教師がちょっとしたツッコミ入れることで、教室に笑いが起こる。これなら、誰にでも追試できる。
 出会いの時に、お薦めの「お笑いバラエティーゲーム」を二つ紹介する。

(1)「違うが勝ち」ゲーム

■ゲームのやり方
  1. 教師がお題を言う。(「あ」のつく言葉や虫、テレビ番組、学校の先生など。)
  2. 四〜五人のグループに分かれる。
  3. グループで相談し、発表するものを一つだけ決める。
  4. 発表した言葉が、他のグループと重ならなければ十点が入る。合計点が多いグループが優勝となる。

■ゲームの流れ
 グループ毎に机を合わせ、第一問。『あのつく言葉と言えば?』「あやか!あやか!」友達の名前を叫ぶ声がすぐ返ってきた。『他のグループに聞こえちゃうよ!』子ども達は、椅子からお尻を浮かせ、顔を寄せ、小声で話し合っていた。『では、一グループさん、セーノ!』「あんまん!」「セーフ!」という大きな声。椅子から立ちあがり、セーフのポーズ。それと同時に、「イエーイ、イエーイ!」と、一グループの子達。大喜びである。『では、二グループどうぞ。』「セーノ、アチョー!」『アチョー?こうかな?』と、言ってキックの真似をした。『アチョーは、思いつかないな。すごいな、二グループ、お笑いのプロ!』「あき!」「あたり!」元気の良い発表の後に、「セーフ」の大きな声が響いた。
 「一年一組の人」「一年一組の女子」「曜日」という風に、範囲を狭めて続けた。最後に「信号の色」と言うとみんなから「エ―ッ!」の大合唱。点数を二十点にして行った。このお題で見事重ならなかったグループが優勝した。
 他にも「白くて丸いもの」「黒くて長いもの」「鈴木という名字の芸能人」など、お題によっていろいろな楽しみ方ができる。答えの発表を黒板に「セーノ」で一斉に書くというやり方も行った。全員が黒板にくぎ付けであった。

(2)ウソあて推理ゲーム

■ ゲームのやり方
  1. 四〜五人を一グループとする。
  2. お題の内容を、みんなの前で発表する。しかし、グループの中の一人は、本当ではないウソの話をする。
  3. 聞いている人は、誰がウソをついているのか推理し、ワークシートに書く。
  4. ♪チャーラーラーラーラ♪という音の後、ウソをついていた人は立つ。

■ ゲームの流れ
『最初のお題は、昨日したことです。まず、ウソをつく人を決めます。時間は三十秒。ではどうぞ。』「うらのうらのうらにして…」何やら、深く考えこんでいるグループもある。さらに、発表する内容を一分で決めさせた。発表者五人が黒板前の椅子に座った。「昨日、サッカーをしました。」サッカーを習ってる子が言った。『バレバレじゃない!』笑いが起きる。「昨日、サティに行って、買い物に、えっと、サティに買い物に、行きました。」「はい!ウソ!」「ウソだあ!」というと言う声が飛び交う。さらに、『A君、ずいぶん、噛んでましたね。』とツッコミを入れた。さらに、笑いが膨らむ。五名全員が発表後、『さて、うそをついたのは誰でしょう。♪チャ―ラーラーラーラー♪』皆の予想通り、A君が立ちあがる「アハハハハ。」笑いは最高潮である。
 さらに、お題を「好きな有名人」、「最近こっていること」と変えていった。繰り返しているうちに、ウソをつく役の子も真剣な顔で答える演技をする姿が見られた。発表に対するリアクションも子ども達から自然と起きていた。「最近凝っていること」では、「折り紙です。」と答えた子がいた。発表するとすぐに、「うそだ!」「絶対やってない!」皆、大爆笑。言った子も苦笑い。「♪チャーラーラーラーラー♪」の後、もちろんその子が立ちあがる。涙が出るくらいの勢いで笑う子ども達。「折り紙」がこの時間の合言葉となった。

(3)ゲームを終えて

 「違うが勝ち」ゲームの良い所は、どの子も話し合いに参加しやすいという点である。発表の苦手な子も、積極的に話の輪の中に入っていく姿が見られた。そして、班の団結力も高まる。
 「ウソ当て推理ゲーム」では、「みんなのことをいつもよりわかっておもしろかった。」という感想があった。楽しいと同時に初対面の子の人となりが見えてくる。さらに、名前を言ってから発表する、ワークシートに名前を書くことでお互いの名前を覚えていく。授業後、廊下で好きな有名人を言い合う子もいた。「笑うととても気持ちが良かった」という感想もあった。

3終わりに

 向山洋一氏は、子ども達との新たな出会いからの三日間を、「黄金の三日間」と言う。この三日間に何をするかでその一年が決まる。かけがえのない時なのである。教師の願いを語る、クラスのルールを作る、すべきことは多々ある。しかし、その中に忘れずに「笑い」を取り入れたい。
 緊張感を抱えた出会いの日。「笑い」は、それを解きほぐす。「笑い」のある一瞬は教師と子どもという立場の壁さえも取り去ってしまう。笑いがある瞬間は、お互い平等になれるのだ。笑いは、コミュニケーション上の大事な潤滑油である。教師と子ども、子ども同士のコミュニケーションを深めるためにも必要不可欠なものなのである。「出会いに笑いを!」そして、「教育に笑いを!」
 
<参考文献>
「お笑いに学ぶ教育技術」(上條晴夫編著 2001年 学事出版)
▲お笑いの理論と今回紹介した「お笑いバラエティーゲーム」満載の一冊である。さあ、あなたも、教室に笑いを起こしましょう! Let's smile!